臨床病理ゼミ、膵炎

おとといの臨床病理の院内セミナーは前回に引き続き膵炎についてでした。犬の膵炎はほとんどが急性膵炎で、吐き気が強く元気も食欲も無くなってしまうような重症例が多いです。犬の膵炎は自己消化という病態がメインで、膵臓に含まれている消化酵素(蛋白質や脂質を分解します)が暴走し自分の膵臓や周囲の臓器を消化してしまい激しい腹膜炎を引き起こします。

犬の急性膵炎の超音波画像です。黒っぽい所が炎症で腫れた膵臓で、周りの脂肪が炎症を起こして普通よりも白くなっています。このように重症だとお腹の中でかなり強い炎症が起こっていますので、命に関わる場合も少なくありません。

膵炎は様々な要因が合わさって引き起こされる病気で確実に予防するのは難しいのですが、気をつけるポイントはあります。まずは、血液中の中性脂肪(TG)の値が高いと急性膵炎のリスクがあがります。中性脂肪が高くなりやすいのは圧倒的にミニチュア・シュナウザーが多く、あとは肥満しているワンちゃんにも多いです。あと、急性膵炎は脂っぽいものを食べた後になりやすいので、中性脂肪が高いワンちゃんは特に脂ものに注意しましょう(^_^)

ワンちゃんは病気じゃなくても時々嘔吐しますが、元気が無かったりいつもと様子が違う時にはこういう恐い病気の事もあります。注意しましょう!