クルーズ動物病院 ANIMAL HOSPITAL

クルーズ動物病院院長のブログです。お知らせや日常などを綴っていきます

臨床病理院内セミナー18.7

先日、いつもの臨床病理セミナーをやりました。前回からの続きの脾臓と、膵炎を少し。脾臓はおもに超音波検査によるシコリのチェック、大きさの評価から始まります。脾臓のシコリは大きければ切除をおすすめしています。では、小さめのものは放置して良いのか、積極的に切除した方がいいのか、その辺りに関してはまだ決定的な情報は不足していると思います。ただ、どちらかというと以前よりも切除する方向に進んでいくのかなぁ、と思いました。

上のように脾臓の形を変えて飛び出しているようなシコリの場合には後々破裂して腹腔内出血を起こす危険があるので、切除した方が良いのではと思います。

現状では、他の病気や年齢、手術リスク、経過などいろいろな要因を含めて総合的に決めていく必要があります(^_^)

獣医がん学会行って来ました

今月の7、8日の土日はお休みをいただいて獣医がん学会に参加してきました。今回のテーマは鼻腔内腫瘍。鼻の中にできてしまう腫瘍です。

鼻血や治らない慢性の鼻炎症状から腫瘍の可能性を考えますが、鼻の中なのでなかなか診断も難しいタイプの腫瘍です。基本的には症状から腫瘍の可能性がある場合には大学病院などでCTやMRI検査のうえ組織生検という流れで診断していきます。

治療はというとこれも難しく、今回の学会でも議論されていましたが、第一選択の治療は放射線治療となっています。これも特殊な施設でないとできない治療ですので、鼻腔内腫瘍は診断も治療も大変な病気です。

発生頻度としては少ない方の腫瘍ですが、鼻炎症状が治らない場合、特に鼻血が出るような時には注意が必要です(^_^)

 

プロサイトDxを導入しました

血液検査の時に使う血球計算装置を新しいものにグレードアップしました!

赤血球、白血球、血小板の検査に用います。プロサイトDxは今までできなかった白血球の5分類と網状赤血球の測定ができます。今までは常に血液塗抹標本を顕微鏡で観察し、スマホアプリを片手に白血球を200個数え、白血球分類というものをやってました。そして、網状赤血球の測定に関しては1000個の赤血球を数えて計算していました。これらの時間がかかる仕事を2分程度でやってくれます。感動です(^_^)

ただし、やはり機械にだけ頼っていいものではなく、血液塗抹を見ないと分からない事はものすごく多いです。必要に応じて目視による白血球分類を併用していきます。特に病気の子。そしてプロサイトのデータ量は豊富で、これをちゃんと理解して診療に役立てるには知識が必要です。しっかりとしたトレーニングをして使いこなせるようにしていきます!

もう7月、暑いです

今年ももう半分終わりました。夏に突入ですね。

暑い日が続きます、ワンちゃんは特に熱中症に注意しましょう!

最近は室内の空調はみなさんしっかりと気をつけているので、室内での熱中症はほぼ経験しません。やはり散歩中や車など、短時間なら大丈夫だろうというシチュエーションでの発症に注意が必要です。休憩や飲水などまめにとりましょう(^_^)

もん太、車にて U^ェ^U

 

猫の尿管結石の超音波検査

さらに、エコー検査シリーズ。

今回は猫ちゃんで時々みられる尿管結石。小さな結石が尿管につまることで急性腎不全を引き起こします。非常に恐ろしい病気です。

レントゲンで確認できることもありますが、今は超音波検査がかなり威力を発揮してくれます(^_^)

膀胱まであと少しの所でつまっている結石。cryの文字のすぐ右にある白いものです。シャドーも引いています。もちろんリニアプローブで、腎臓から尿管を追いかけていくと発見することができます。猫ちゃんの腎臓病、急に悪くなった場合には結石がないかの確認は重要です!

 

猫の膵臓の超音波検査

続・エコー検査シリーズ

いつも悩みます、猫の膵炎。高齢の猫ちゃん、慢性の嘔吐や下痢があって少しずつ体重が落ち、食欲もなくなって受診されるケース、多いです。検査をしていくと慢性腸炎なのか、胃腸のリンパ腫なのか、慢性膵炎なのか、、となる事が多いのですが、そこで頼りにしているのが症状の経過と治療反応、そしてエコー検査です。猫ちゃんの膵臓をエコーでしっかり確認するのは難しいのですが、慣れてくると正常な膵臓もちゃんと見えてきます。

正常猫ちゃんの膵左葉です。どこが膵臓か分かりづらいのが正常です。これに見慣れておくと異常な膵臓は容易に発見できます。ただし、エコー検査だけでは膵炎の診断はできなかったり(血液検査もそうです)、膵炎と腸炎が同時に出ていたり、悩ましい事には変わりありません。。

検査が進歩しても結局は症状や臨床経過がとても大事、まだまだ悩ましい病気です。頑張ります(≧∀≦)

犬の膵炎の超音波検査

エコー検査シリーズ。

犬で多い急性膵炎。急に嘔吐や下痢、食欲低下などの症状が出て来院された場合には胃腸炎などが多いのですが、常に膵炎の可能性も考えます。急性膵炎は重症化すると命に関わるこわい病気ですが、ひどいものであればエコー検査で発見できることが多いので症状の強い子では常にエコーで膵臓をチェックしています。

急性膵炎の膵臓(右葉)です。真ん中辺りの黒いモヤモヤが膵臓で、周囲は炎症が波及しているために白くなります。ここまで変化があればすぐに膵炎だとわかります。膵臓も昔はあまり見えなかった臓器ですが、最近のエコー装置だと正常な膵臓でもほとんどの子で見えます。すごいです。これからまた5年位経つとさらに性能があがるのでしょうか?楽しみです( ^ω^ )

リンパ節の超音波検査

今回はちょっとマニアックなお話です。

体表のリンパ節は今までは触診で評価するのが普通でしたが、最近では超音波(エコー)検査が用いられる様になってきています。現在使用しているエコー装置リニアプローブを使うと、正常な大きさのリンパ節も描出することができます。

正常な鼠径リンパ節です。小さいです、わずか2.5mm。昔のエコー装置じゃ絶対見えませんでした。

エコー装置の進歩すさまじいです!

リンパ節のエコー検査は、癌が転移してしまっていないかを調べるのに活躍してくれます(^_^)

犬達の世界

待合室で遊ぶ、左からペペロンちゃん、ベラちゃん、もん太U・x・U

ちゃんとお座りしてますね。

もん太とペペロンちゃん、仲良くできるのか?

服従?

犬達の世界はおもしろい(^_^)

青いエビが出現

自宅の水槽のエビ達。

普通の透明っぽいミナミヌマエビ、黒いエビ、赤いエビしかいなかったはずなのに、最近なぜが青いエビが出現!まだまだ小さい稚エビですが、綺麗な青色です。突然変異??

まずは透明な普通のエビと、黒いエビ・・前からいました。

赤いエビ・・これも前からいました。

 

そして、青いエビ!とても綺麗な色をしています。今の所1匹しか確認していません、ちゃんと成長するかな〜(^_^)

6月は雨の季節

梅雨が来ました、ジメジメしてますね。この時期になると病院は落ち着きを取り戻します。資料をまとめたり院内での勉強会をやったりと、少しずつ時間を取れるようになりました。ワンちゃんは皮膚病や外耳炎が増える季節ですので注意してあげましょうU・x・U

強面の唯、怒っていません。この表情ですが、グルグル言ってます(^_^)

健康診断

春の動物病院は健康診断のシーズン。日々ワンちゃん達の血液検査などをしていますが、今日は朝から自分の人間ドックに行ってきました。ちゃんとしたドックは初めてなので、興味津々で行ってきました。血液検査、レントゲン、CT、MRI、超音波、胃バリウム、心電図、肺活量、眼圧、眼底など、いろんな検査を受けてきました。検査機器もいろいろ見れたし、いつも自分が動物達にしていることを逆に自分がされるという経験、思ったよりも楽しかったです(^_^)

当日わかる範囲ではひとまず健康体のようなので、明日からまたバリバリ頑張ります!

ワンちゃん、猫ちゃんの日帰りペットドックはこちらを参考にしてください。

まりあとナンちゃん、一緒にくつろいでいる所。レアショットです(=^x^=)

もん太と綱引き

勢い良く引っ張ってきますU・x・U

動きがすごくて写真がブレブレ、なかなか撮れません。

まだまだ遊び大好き、元気なもん太君です(^_^)

 

骨折手術の実習

先日の木曜日は鶯谷で骨折の整復手術の実習に参加してきました。骨折の手術方法にはいろいろとあって、ピンニングやワイヤリング、プレート固定、創外固定などが一般的です。中でもプレート固定は最も適応が広く、動物医療においても一般的に行われています。

今回実習で教わってきのは、プレート手術の中でも最近普及しつつあるロッキングプレート。従来のプレートに比べると固定力が強く、さらに骨の治りも良いのでこれからの骨折治療のスタンダードになっていくのではと思います。

ロッキングプレートは各社出していて、今回はタイタンロックというロッキングプレート。従来のプレートシステムとは骨折固定の原理原則も異なりますので、しっかりと理解を深めるために勉強してきました!

特に小型犬の前肢の骨折は一般的ですが、元々治りづらく癒合不全になりやすい骨折と言われています。そういう骨折にこそロッキングプレートは威力を発揮してくれるだろうと期待しています(^_^)

予防の季節

まだまだ忙しい日が続きます。なかなかブログの更新もできませんでした。

4、5月は1年で一番病院が混んでしまうシーズン。ワンちゃんの狂犬病予防接種やフィラリア症の予防の季節だからです。長時間お待たせしてしまうこともあり、すみません。。

待合室で待っている猫ちゃん達には申し訳ないのですが、あと1ヶ月位もすると少し落ち着いてくると思います。最近、病気で多いのは胃腸炎。この時期は毎年多く来院されます。しかもちょっと重症の場合や、発熱したり、同居のワンちゃん達がみんな発症したりと、感染性なのかなと思うことも多いです。お散歩中に落ちているものを食べてお腹を壊すことも多いのでご注意を(^_^)