外部寄生虫(ノミ・マダニ)
外部寄生虫(ノミ・マダニ)感染はよく見られます。単純に皮膚炎を起こしたり、アレルギー反応で皮膚炎症状が強く出たり、感染症を媒介したりもするので注意が必要です。
ノミについて
ネコノミ
ライフサイクル
ノミは卵→幼虫→蛹→成虫という発育ステージで繁殖します。成虫は犬や猫の体表に寄生し吸血・産卵を行います。卵は体表から滑り落ちて、周囲環境下で幼虫、蛹へと成長します。蛹は動物が近づいてくるのを待っていて、通りかかった動物の振動や体温、二酸化炭素に反応して殻を破って飛びつき、ただちに吸血と産卵を開始します。つまり、ノミの寄生が見られたら、普段ペットが生活している環境に卵や幼虫、蛹が沢山いるという事が予想されます。
成虫1匹は1日に4~20個、条件が良ければ一生に1000個以上の卵を産みます。卵から成虫までは条件によりますが1~2か月で成長してしまうので、爆発的に増殖します。
症状
ノミ刺症、ノミアレルギー性皮膚炎を引き起こします。ノミアレルギーはノミが吸血した際の唾液に対するアレルギー反応で、主に腰背部(お尻の辺り)に痒みの強いブツブツができます。
媒介
ノミは瓜実条虫という消化管内寄生虫を媒介します。犬や猫から排泄された瓜実条虫の卵はノミの幼虫に食べられて、その体内で感染幼虫にまで発育します。このノミが成虫になり犬や猫に寄生した時にグルーミングなどで口に入ると感染が成立します。
発見
ノミそのものは動きが速く毛に隠れてしまうため少数寄生だとなかなか見つけられません。毛にひっかかっているノミの糞を見つける方が楽です。毛を掻き分けて黒い小さな点のように見えるものをティッシュに取り水で湿らせると、ノミの糞であれば赤くにじみます(血液なので)。
マダニについて
マダニ
マダニとは
1mm位~吸血すると小豆大位にまでなるダニです。草むらなどから犬に寄生します。口元や耳など頭部への寄生が多いですが体表のどこにでも寄生します。皮膚に咬みついてくっついているので移動はしません、よく見ると足が付いているのでご家庭でも確認できると思います。
媒介
犬のバベシアという原虫を媒介するという点でマダニ予防は重要視されています。バベシアに感染すると重度の貧血を発症します。
予防方法
お薬(内服薬かスポットタイプの滴下剤)で簡単に駆除、予防ができます。ただし、ノミ寄生が確認された場合には駆除・予防薬の投与と合わせて環境中の卵、幼虫、蛹に対する処置も必要です。クッションやカーペットの洗浄や廃棄をお勧めします。
寄生が多いのが春から冬になります。月に1回程度のお薬の使用で十分に予防できます。投薬に関して詳しくは動物病院でお問い合わせください。
犬・猫用の外部寄生虫駆除・予防薬はいろいろなものが販売されていますが動物用医薬品として認可されているものを使用する事をお勧めします。