5月までの診療カレンダーを更新しました
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心臓の検査
心臓の検査といえば聴診、心電図やレントゲンというイメージですが、実は心臓は超音波検査がものすごく重要です。心臓の動きや内部構造、血流の異常、血流の速度などを計測する事でまだ全く症状が無いような初期の心臓病や、心臓病の重症度を評価する事が可能です(^_^)
これは三尖弁逆流症と軽度の肺高血圧症が見つかったワンちゃんの超音波画像です。ごく初期のため症状もありませんし、聴診でも全く異常がありません。高齢になってきたので心臓の検診をしたいとのことで検査した子でした。小型犬の心臓病はほとんどの場合で心雑音が聴診で聞こえるのですが、このタイプの異常は聴診では分かりません・・。あと、大型犬や猫で見られる各種心筋症も聴診では分からない事が多いです。改めて検診の重要性を感じました。特に猫の心筋症はかなり進行した状態まで無症状なので検診の際には心臓の超音波検査をお勧めするようにしています(^з^)-☆!!
骨格の画像診断
昨日の画像診断セミナーは骨格の画像診断でした。骨の腫瘍や脊椎系の疾患がメインの勉強会でした。ワンちゃんで一番多いのは椎間板ヘルニアでしょうか▽・ェ・▽
ダックスに好発する椎間板ヘルニアは急性の腰痛症状から完全な下半身麻痺まで多様な症状を発症します。特に麻痺(後ろ足が動かずに、前足だけで引きずって移動します)の場合には緊急治療が必要となりますのですぐに動物病院を受診してください。様子を見ていてはいけない病気の筆頭です。また、ヘルニアになってしまい、後遺症として麻痺が残ってしまった場合には以前ご紹介した犬用カートや、自宅・施設(水中トレッドミル)でのリハビリが重要となってきますのでご相談ください。
暖かくなってきました
最近は暖かい日が増えましたね。ようやく春が来そうです(^з^)-☆!! ただ、花粉にアレルギーをもっているワンちゃんにとってはキツい季節です。早期から抗ヒスタミン剤を飲み始めることで症状を緩和できる事が多いので、皮膚の状況は注意しておいてください。あとは、食べ物など悪くなりやすくなってきますので嘔吐や下痢もこれから増えてきます。これも注意ですね!
ワンちゃん用カート
ワンちゃんでは様々な病気により後肢が麻痺してしまう事が少なくありません。病気の種類によっては麻痺を治す事ができず、大好きなお散歩ができなくなってしまったり、自分で思うように動けなくて元気が無くなってしまったりします。そこで、ワンちゃん用のカートというものがあります(^_^)
飼い主さんのご好意で写真を撮らせていただきました(^з^)-☆!!
カートが無くてうまく動けなかった時と比べてすごくいい表情になりました▽・ェ・▽ お散歩の様子もすごく快適そうで、後肢も動かしていますのでリハビリにもいいでしょう。カートを使いこなして楽しそうにしているのを見ると本当に良かったな〜と思います!このカートはお勧めです、困っているワンちゃんいたらご相談ください。
第11回 整形外科勉強会
先日の日曜夕方から2ヵ月に1回開催の整形外科勉強会に出席してきました。東京駅でやってます。空が砂で黄色くなってた日です(´・ω・`) 大腿骨骨折についての勉強会でした。あと、目黒にある犬用のプールや水中トレッドミル施設の方も来ていて説明を受けました。連絡をとりながら施設を使ってリハビリをできるようです。犬の関節疾患やヘルニアなどの神経疾患にはリハビリが有効なのは言うまでもありませんが、しっかりとした知識を持っている方は少ないのではと思います。講師の先生のお話を聞くとすごく勉強になります。自宅でのリハビリで十分な効果が得られない時には水中でのリハビリができるのはすごくいいな〜と思いました(^_^)
狂犬病予防注射について
府中市の狂犬病予防注射が始まりました。当院ではいつでも狂犬病予防注射の接種ができますので、ワンちゃんの体調が良い時にご来院ください。ワクチン後の様子を観察できるようになるべく午前中の来院をお勧めしています(^з^)-☆!!
調布市にお住まいの方は4月からになると思います。時期になったら市からハガキが届きます。市によって時期が違うのは何ででしょう?不思議です。
診療カレンダー更新しました
診療カレンダー更新しました
皮膚移植
人の医療で外傷や熱傷の湿潤治療が話題になっていますね。新聞記事にも載ったようです(^з^)-☆!! とてもいい事だと思います。すごくいい治療概念ですが医療のしがらみなどでなかなか普及しないようです。逆に獣医の領域ではかなり普及が進んでいると思います(しがらみがないので)。自分はなかなか治らない外傷の治療をしている時にインターネットでいろいろ調べてみて湿潤療法を確立された先生のサイトに行き着きました。傷の治療だけではなく様々な事を勉強できるサイトです、眼からウロコの連続でした。
皆さんも外傷、熱傷の治療には絶対に消毒やガーゼ、皮膚移植を選択されないようお勧めします。特にひどいヤケドの時の皮膚移植は必ず湿潤療法を選択肢にいれて十分に検討されるようお勧めします。人では皮膚移植後のトラブルが多いようです。
動物の場合はというと、皮膚移植や皮膚形成をした方がいいケースも多いと思います。何故かというと、動物では長期的な傷の管理が難しい場合が多い(自分でいじってひどくしてしまう、ずっと包帯巻いてエリザベスカラーをしているのを動物が許容できない)、皮膚移植をしても毛が生えると美容的に人よりも気にならない、皮膚がよく伸びるので機能障害が少ないなど人と異なる要素が多くあるからです(∪^ω^)
最後に、外傷に消毒は百害あって一利なしです!
犬の心臓病
今日は犬の心臓病、僧帽弁閉鎖不全症についての院内勉強会でした。時間が無くて途中まででしたけど・・(´・ω・`) 僧帽弁閉鎖不全症は犬の心臓病のほとんどを占めます。特にチワワ、シーズー、マルチーズ、キャバリアなどの犬種に多く見られます。
画像は僧帽弁閉鎖不全症の超音波画像です。ポイントとしては、初期には心雑音(聴診で分かります)以外に症状が見られない事、これが非常に大事です。この状態から年単位で進行して咳が出始め、最終的には心不全に至ります。つまり、咳が出始めて病院に行った時にはある程度進行した状態という事です。逆に、定期的に聴診さえしっかりしてもらっていれば咳などの症状が出る前に病気を発見する事ができ、初期の段階から治療してあげられます。ワクチン接種や爪切りなど、他の目的での受診時でも定期的に聴診はしてもらいましょう(^з^)-☆!!
臨床病理セミナー2/21
昨日は臨床病理院内セミナーでした(^_^) いつも通り症例相談の後は肝臓の血液検査について。検査データの解釈の仕方を勉強。血液検査の数値からどんな情報を得られるか、というのは診断する人によって雲泥の差が出ます。数値が高いか低いかの評価だけなら基準値の表があれば誰でもできますので、大事なのは深い基礎知識、解釈の仕方、イメージの仕方だと思います。いつもながら勉強になります!
写真は胆嚢粘液嚢腫破裂の超音波画像です。最近この病気は増えているようです。明確な発症機序は分からない部分が多い病気ですが、高コレステロールや高中性脂肪などの高脂血症と関連があるように思います。高脂血症はそれだけだと自覚症状がなく放置されやすいのですが、犬では胆嚢粘液嚢腫や膵炎などの重症疾患の引き金になる可能性があります。無症状のまま知らないうちに病気が進行して将来重症になるのをなるべく防ぐために最近は高脂血症の診断・治療を以前より積極的にお勧めしています(´・ω・`) 特にミニチュア・シュナウザーとシェルティ、肥満のワンちゃんは注意が必要です。6歳位になったらペットドックを1回受けてもらうと安心かと思います。